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男性不妊の原因はさまざまですが、男性不妊の多くが造精機能障害(精子をつくる精巣の機能に問題がある)だと言われています。仮に無精子症と診断されても、精巣内から少しでも精子を回収できれば人工授精などで妊娠の可能性は高まります。

また男性不妊の1割程度に見られるのが、性機能障害。造精機能は正常なのに勃起ができず、マスターベーションでも射精できない症状と、勃起はできても腔内に射精できない症状があります。

いずれも女性の年齢も考慮しながら、男性不妊の治療法が選択されることが多いそうです。

精子がまったくいない無精子症
精液中に精子がまったくいない症状。男性の100人に1人は無精子症ともいわれています。
「閉塞性無精子症」と「非閉塞性無精子症」に分けられます。

・閉塞性無精子症
精巣で精子がつくられていても、精子の通り道(精管)が何らかの原因で塞がれていて精子が外に出られない状態。生まれつき精管が狭い人や精巣上体炎などが主な原因ですが、原因不明の場合もあります。

治療法
精路を通す精路再建術を行なうことで改善が望め、術後が良好であれば自然妊娠の可能性もあります。

・非閉塞性無精子症
精子をつくりだす精巣そのものに問題がある症状。精子の通り道に閉塞がなく、複数回の精液検査をしても射精精液中に精子が確認できない場合に診断されます。

治療法
ほんのわずかでも精子がつくられていれば、精巣から直接精子を回収する手術(TESE、MD-TESE)が行なわれます。そこで回収できれば顕微授精を行ないます。


精子の数が少ない乏精子症

精液中に精子はいるものの、その数が少ないという症状。精液検査の精子濃度が1500万/ml未満の場合、乏精子症と診断されます。乏精子症になる理由のーつとして、精索静脈瘤があります。

治療法
軽度の場合は、タイミング法や人工授精、妊娠しない場合は体外受精や顕微授精が行なわれます。


ED(勃起障害)


勃起に関係する神経系異常や海綿体に血液を送る血管系異常、ホルモン系異常などが起因になるほか、心理的な要因で勃起しなくなることが多いようです。排卵日にセックスをするタイミング法はEDになりやすい原因の一つ。

治療法
バイアグラなどの勃起障害改善薬が有効で、とくに心理的要因のEDには効果的だといわれています。


勃起するものの、射精できない射精障害

精液が膀胱側に逆行する逆行性射精、マスターベーションでは射精できるのに女性の腔内に射精できない腔内射精不能などがあります。

治療法
マスターベーションで採取した精液中に精子がいれば、人工授精や体外受精を行ないます。

精子に元気がない精子無力症
精液中に精子の数は正常にあるものの、精子の運動率が悪い症状です。
前進する精子が40%未満の場合に精子無力症と診断されます。乏精子症と合併して発症することもかなり多くあります。

治療法
精子の状態によりますが、人工授精や顕微授精などの不妊治療が行なわれます。