男性不妊の特徴や原因について紹介するブログです

北九州の病院の泌尿器科で働く男性不妊専門医です。日本でも徐々に認識が高まりつつある男性不妊症。男性不妊の治療法や原因についてブログで紹介していこうと思います。

Category: 男性不妊の検査

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問診は質問の聞き漏れがないようにするために、質問用紙に記入にします。

画像は私が通っているクリニックの問診票です。

そして、問診票を確認しながら、話が進んでいきます。

問診票は以下のことがきかれます。

男性不妊の検査

●夫婦の名前、年齢、血液型。

●職業が不妊症の原因になっていることもあるので、夫婦の具体的な職業(高温環境、塗
装、農業、溶接など)。

●夫の身長、体重。

●結婚期間と実際に子どもを希望してからの期間(不妊期間)。

●妻の妊娠・分娩歴。

●再婚の場合には、以前の結婚期間中の子どもの有無。

次に、今までにかかったことのある病気などについてもきかれます。
●おたふくかぜ

●精巣の手術の有無(停留精巣〈睾丸〉、陰嚢水腫、精巣捻転症)

●精巣上体炎(副睾丸炎)

●鼠径ヘルニアの手術

●前立腺炎

●脳外科疾患(下垂体腫瘍)

●腹部の手術歴(直腸の手術など)

●糖尿病

●交通事故(脊髄損傷や陰茎変形症)

●血液透析

また、抗ガン剤による治療や放射線治療を受けたことがあるかについても聞かれます。

現在飲みつづけている薬があるかどうかと、その種類について聞かれます。

不妊症の原因とされているホルモンであるプロラクチンを上昇させる薬物(一部の胃薬や心療内科から処方されている薬)や、潰瘍性大腸炎の治療薬であるサラゾピリンを服用していると、精子のつくられる過程が影響を受けるみたいです。

さらに、1日あたりの喫煙本数、飲酒の有無についても聞かれます。

喫煙は精子をつくる造精機能に影響するといわれています。また、過度の飲酒(1日1
升以上)も影響を与えるといわれています。

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精子の状態は採精環境で変わる

検査のために精液を採取する場合、いろいろなポイントがあると思います。

粘液の採取前には、2~7日間の禁欲がいい渡されます。(※病院よって違うので医師に従ってください)

これは、一度射精すると精液の量や精子の数が減ってしまうからで、回復期間を設けているのです。

だからといって、数週間以上射精していない状態での採取も問題です。

時間がたちすぎると、運動能力の低くなった精子が増えてしまいます。

また、多忙な日々、唾眠不足、精神的ストレスなども影響するので採取前日は早めに就寝するなど、体調を整えることが必須です。

精液採取はマスターベーションで


採取は、手を使ったマスターベーションで行います。自宅で取るときに、途中までセックスをしたり、コンドームを使ったりするのは厳禁です。

腟外射精では精液の漏れや雑菌などの混入が心配ですし、コンドームには殺精子剤がついているものが多いからです。

また、清潔に気をつけます。手と性器を洗って雑菌を落とし、しっかりと乾かしてから始めます。そして、検査のためと思わず、気持ちを込めること。

自然な感じで絶頂感に達すると、よい状態の精子がとれるといいます。

あとはこばさずに、全量を容器に入れます。最初の部分がもっとも多く精子がいるので最初のドッピュの部分を取りこぼさないようにするのが重要です。

精液は最も重要なデータになるので、うまく入らなかったときは、提出時に報告しておきます。


精子を採取したあとは早めに処理

採取後の精液は、20~30分ほど放置して液化させたあと、新鮮なうちに顕微鏡などで検査します。

時間がたつにつれて精子の状態はどんどん変化してしまい、3時間以上経過したものは検査できません。

自宅で採取した場合は、1~2時間以内に病院へ持参します。

運ぶ際には、温度管理に気をつけます。精液が冷えると精子の運動率を下げるので、人肌程度に保つように(ン
カチで包み、胸ポケットに入れるなどして保温します。

なお、カイロなどで必要以上に温めるのは厳禁です。気をつけてください。


ベビーライフ研究所の精子輸送検査

クリニックで検査するのが恥ずかしい…
忙しくてクリニックに行く時間がない…
そんな方におすすめの、自宅から郵送で手軽にできる精子検査。
検査結果はメールでお送りするので、自身の結果を誰にも知られず検査できます。

これから妊活をはじめる方に
妊活をはじめる前に、自身の精子の健康をチェックするのは必須です。自宅で採精して、ポストに投函するだけで検査可能。
メールで検査結果が送られてくるので、仕事が忙しくてクリニックに行けない方にもおすすめです。

恥ずかしくてクリニックに行きにくい

多くのクリニックは女性向けに作られていて、スタッフの多くも女性。そんな中で精子検査にいくのは男性にとってやっぱり恥ずかしいものです。自宅で採精、ポストに投函するだけだから、安心して検査を受けられます。

不妊治療目的に限らない
病院による精子検査は、不妊治療目的でないと検査を行ってくれない場合もあり、気軽にできないのが現実。
ベビーライフ研究所では、目的を問いません。自身の健康状態の把握、サプリメント等摂取の効果確認、パイプカット手術後の確認、もちろん不妊治療の進捗等幅広い目的のためにお使いいただけます。

国内の精子専門検査機関と提携
精子検査には特別の知見が必要です。正確かつ素早い検査を可能とするために、国内ではごく少数の、精子専門の検査機関と提携。これによって信頼性の高い検査結果をご提供可能です。



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男性不妊が増えていると言われています。芸能人がカミングアウトしたり情報番組で取り上げられたりして、世間的にも認知されるようになってきました。

でも女性の不妊と比べると、まだまだ男性不妊についての情報は少ないとおもいます。そこで自身の経験を元に男性不妊の情報を紹介していきたいと思います。

最近では男性の不妊治療を積極的に行なっているクリニックも増えてきました。ほとんどが男性医師で、WEBサイトなどで診療内容や男性不妊の情報を公開している施設も多いので、安心して受診・相談できるのではないでしょうか。


ここでは男性不妊の検査をご紹介します。


診察はこんなふうにおこなわれます。

1.問診票に記入
診察の前に問診票を記入して提出します。内容は、結婚時期や性機能、病歴や喫煙・飲酒といった生活習慣など。

2.問診
医師が問診票の内容を確認しながら、さらにくわしい状況を尋ねます。

3.視診・触診
視診と触診は、下着を下げてベッドに横になって受けます。精索静脈瘤の検査は立った状態で。

・陰茎(ペニス)の視診・触診
・身長など
・女性化乳房がないか、体毛の量や分布など
・外性器の発育程度
・精巣容積


気になる精液検査

1.容器を受けとる
検査では専用の容器を使用します。口頭で注意事項の説明がある場合のほか、注意事項の用紙を渡されることも。とり違い防止のために、容器には必ず名前を書きます。

2.採精室へ
精子を採取するために、プライバシーが確保された部屋でマスターベーションを行ないます。不妊専門クリニックでは、雑誌やアダルトビデオなどが設置されていることもあるようです。

3.精液を提出
所定の場所に容器を提出します。スタッフと 直接顏を合わせなくていい配慮があるケースが多いようです。


マスターベーションで採取した精液をしらべるのが、精液検査。精液の量や精子の状態をみます。1回目で問題
がなければOKですが、数値が低いときは2回目にトライします。検査方法などによっては結果に誤差が出て、実際の数値よりも低く出ることがあるからです。

精液の基準値

表1

(WHOの下限基準悁,2010年)より

精液量:1.5ml以上

総精子数:3.900万個以上

PH:7.2以上

精子濃度:1 ml 中に1,500万個以上

精子運動率:運動精子が40%以上。前進運動精子が32%以上

正常形態精子:4%以上

生存率:58%以上

白血球:1ml中に100万個未満


表2

正常精液:表1の基準を満たすもの

乏精子症:総精子数が3,900万個未満

精子無力症:精子運動率が32%未満

正常形態率:4%以上

奇形精子症:形態正常精子が4%未満

無精子症:射精液中に精子が無い


妊娠にとって重要なのは、精子の数よりも、むしろ動き。速くまっすぐに泳いでいける精子がいることが決め手になるようです。



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