男性不妊の特徴や原因について紹介するブログです

北九州の病院の泌尿器科で働く男性不妊専門医です。日本でも徐々に認識が高まりつつある男性不妊症。男性不妊の治療法や原因についてブログで紹介していこうと思います。

Category: 男性不妊の原因

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男性不妊の原因で多い精索静脈瘤は左側の陰嚢の周囲に血管の塊ができて、冷やすことができなくなり、陰嚢内の温度が上昇してしまう病気です。

逆流血の影響で精巣内の酸化ストレスも増え、男性不妊の原因になることもあります。比較的簡単な手術で除去することができるのですが、普通は自覚症状がなく、見過ごされることも多いみたいです。

睾丸の付け根あたりに、血管がギョロギョロと浮き出ていたら、精索静脈瘤である可能性があります。また、精巣には、がんをはじめとする他の病気が起きることがあります。タマにはじっくり、観察し、触ってみることをお勧めします。

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男性不妊と診断されてからタバコをやめました。最近また吸いたくなり始めたので男性不妊とタバコの関係をまとめました。

精子の濃度や運動率に深刻なダメージ


男性の場合は喫煙により精子濃度が15~25%ほど減少、精子の運動率も10~17%ほど減るといわれています。

また、奇形精子率も十数%くらいふえてしまうという報告もあるそうです。

精子の状態がすべて喫煙によって悪いほうに傾いてしまうのです。男がタバコを吸っていると受精率が落ち、結果的に妊娠率も落ちてしまうそうです。

また、男性不妊の原因にもなります。妊活にとっていいことは何ひとつない!


血流が悪くなってタバコED・を引き起こす

タバコに含まれる二コチンには血管収縮作用があるので血流が悪くなり、ED(勃起不全)の原因になることもあります。

ED患者の80%が喫煙者というデータもあるほど。二コチンはほかにも血圧の上昇や心拍数の増加など、身体
ダメージ作用があるそうです。また、喫煙は精巣へも悪影響を与え、男性ホルモンも低下します。


流産率の上昇や先天異常の増加にも関係

夫がタバコを吸うと精子自体がダメージを受けてしまうので、精子のDNA損傷率が増加。

遺伝子や染色体に異常をきたした精子は受精しにくくなり、仮に受精できたとしても流産しやすくなるそうです。

また、その異常が流産するほどでなく妊娠継続できた場合でも、赤ちゃんに先天異常が出る可能性が高くなることがわかっています。


タバコが寿命を10年縮める!

喫煙による年間死者数は世界で500万~600万人、日本で20万人といるといわれています。目・鼻・のどへの刺激、頭痛、せきなどのほか、肺ガンやその他の悪性腫瘍、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、ぜんそくなどの呼吸器疾患、脳卒中、糖尿病などの重篤な病気の原因になることもわかっています。まさに「百害あって一利なし」。

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男性不妊の原因はさまざまですが、男性不妊の多くが造精機能障害(精子をつくる精巣の機能に問題がある)だと言われています。仮に無精子症と診断されても、精巣内から少しでも精子を回収できれば人工授精などで妊娠の可能性は高まります。

また男性不妊の1割程度に見られるのが、性機能障害。造精機能は正常なのに勃起ができず、マスターベーションでも射精できない症状と、勃起はできても腔内に射精できない症状があります。

いずれも女性の年齢も考慮しながら、男性不妊の治療法が選択されることが多いそうです。

精子がまったくいない無精子症
精液中に精子がまったくいない症状。男性の100人に1人は無精子症ともいわれています。
「閉塞性無精子症」と「非閉塞性無精子症」に分けられます。

・閉塞性無精子症
精巣で精子がつくられていても、精子の通り道(精管)が何らかの原因で塞がれていて精子が外に出られない状態。生まれつき精管が狭い人や精巣上体炎などが主な原因ですが、原因不明の場合もあります。

治療法
精路を通す精路再建術を行なうことで改善が望め、術後が良好であれば自然妊娠の可能性もあります。

・非閉塞性無精子症
精子をつくりだす精巣そのものに問題がある症状。精子の通り道に閉塞がなく、複数回の精液検査をしても射精精液中に精子が確認できない場合に診断されます。

治療法
ほんのわずかでも精子がつくられていれば、精巣から直接精子を回収する手術(TESE、MD-TESE)が行なわれます。そこで回収できれば顕微授精を行ないます。


精子の数が少ない乏精子症

精液中に精子はいるものの、その数が少ないという症状。精液検査の精子濃度が1500万/ml未満の場合、乏精子症と診断されます。乏精子症になる理由のーつとして、精索静脈瘤があります。

治療法
軽度の場合は、タイミング法や人工授精、妊娠しない場合は体外受精や顕微授精が行なわれます。


ED(勃起障害)


勃起に関係する神経系異常や海綿体に血液を送る血管系異常、ホルモン系異常などが起因になるほか、心理的な要因で勃起しなくなることが多いようです。排卵日にセックスをするタイミング法はEDになりやすい原因の一つ。

治療法
バイアグラなどの勃起障害改善薬が有効で、とくに心理的要因のEDには効果的だといわれています。


勃起するものの、射精できない射精障害

精液が膀胱側に逆行する逆行性射精、マスターベーションでは射精できるのに女性の腔内に射精できない腔内射精不能などがあります。

治療法
マスターベーションで採取した精液中に精子がいれば、人工授精や体外受精を行ないます。

精子に元気がない精子無力症
精液中に精子の数は正常にあるものの、精子の運動率が悪い症状です。
前進する精子が40%未満の場合に精子無力症と診断されます。乏精子症と合併して発症することもかなり多くあります。

治療法
精子の状態によりますが、人工授精や顕微授精などの不妊治療が行なわれます。

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